画像のデジタル化-2(カラー深度)
「量子化」の際、そのレベルを幾つに設定するか、つまりピクセルに対し何ビットのカラー情報を割り当てるか、をカラー階調の深さ、「カラー深度」と言います。
その程度によって、モノクロ画像、グレースケール、インデックス画像、フルカラー画像等に区分出来ます。
カラー深度
■ 1ビット画像
各ピクセルに1ビットのカラー情報を割り当てた画像。
モノクロ画像
1ビットは、0と1だけ、カラーに適用すれば「黒」と「白」だけの2階調画像になります。 つまり各ピクセルは、黒と白のうち、どちらか1色表示になります。
各ピクセルは1ビットのデータサイズを持ちます。
※閾(しきい)値
画像を黒、白2階調に集約する際、ソース画像のカラー濃度のどのレベルを境に、黒と白に分けるか、と言う問題が生じます。 その境目を「閾値」と言います。 右図は50%のレベルで設定してあります。
閾値を高く取れば(白に近い方)、画像は全体に黒く、 低く取れば白っぽくなります。
■ 8ビット(1バイト)画像
各ピクセルに8ビット(1バイト)、つまり256階調のカラー情報を割り当てた画像。
通常グレースケール画像を指すが、GIF画像などで使われている、256色インデックスカラー等も1バイト画像です。
グレースケール
黒から白迄を中間の灰色を含め表示したものを「グレースケール」と言います。
1個のピクセルのカラー濃度は、通常1バイト迄拡張されます。
従ってグレースケールは、通常256階調になります。勿論それより浅い階調で表すことも有ります。
インデックスカラー
同じ1バイト(256色)でもグレースケールではなく、様々な256色を割り当てる場合も有ります。
この場合通常は1670万色(下記24ビットカラー参照)の中から任意の256色を選択使用出来るので、単純な256色に比べ、表現力は豊かです。
Web等に使うGif画像は、そうしたカラーモードになっていて、各カラーは、ビット表示でなく、インデックス(名前)をつけて扱います。その為「インデックスカラー」と呼ばれます。
グレースケール、インデックスカラーとも各ピクセルには、256色のうちの1色が表示されます。
つまり各ピクセルは1バイト(8ビット)のデータサイズを持ちます。
■ 24ビット画像・16ビット画像
R.G.Bの3チャンネルにそれぞれ、一定のカラー値を割り当て、画像をカラーで表現するものです。
カラー値のビット数(量子化レベル)に応じて、画像のカラー深度が変わってきますが、VRAM、或いはビデオカードのメモリが充分搭載されている現在、殆どは24ビットカラーとなっています。
24ビットカラー (フルカラー)
R,G,B各色1バイト(8ビット、256階調)を割り当てます。
組み合わせは「256X256X256」で16777216色と言うことになり、 その為1600万色カラー、1670万色カラー等とも言います。各ピクセルは、約1600万種類のうちの1色が表示されます。
この場合、各ピクセルは、R,G,Bそれぞれのチャンネルごとに1バイト、合計3バイト(24ビット)のデータサイズを持ちます。
画像全体では、総ピクセル数*3バイトと言うことになります。
16ビットカラー(ハイカラー)
R.Bを5ビット(32階調)、Gを6ビット(64階調)で表したカラーモードも有ります。
最近はビデオカードのメモリも充分搭載されて有るので、あまり使わなくても良くなりましたが、かってメモリが少なくフルカラー表示が出来ない、というような場合に使われていました。 「VRAM」参照
■ デジタル画像、周辺知識
このページで説明したように、ピクセルベースのデータ形式、或いは画像を「グリッドデータ(グリッド画像、以下同じ)」、「メッシュデータ」、「ビットマップデータ」、「ラスタデータ」等と言います。
これらは、ピクセル形式の画像呼称として、ほぼ同じ意味で使われています。
以下、それぞれの持つ共通の意味と違いについて述べて見ます。
グリッド・メッシュ画像
グリッドは「格子」、メッシュは「網目」の意味で、ピクセルの並びで形成されている画像をそのまま表現しています。或いは、画像を表示するモニタ画面のドット、プリンタのインクドット等、言わば「目に見える要素」にそのまま着目した呼び方です。 ですから一番基礎的で、普遍的な呼称だと言えます。
そもそもグリッドもメッシュも、もともとCG用語と言うわけでは有りません。今でこそ「グリッド画像」「メッシュ画像」と言えば、それはピクセルやドットで構成された(デジタル)画像を指しますが、「ジグソーパズル」等もグリッド画像と言えなくも有りません。
つまり普遍的ということは、それだけ意味が広くもなるのです。
ビットマップ画像
画像をビットの配列として表したもの。
ビットにより定義されたカラー値と位置情報を持つ、ピクセルの配置として画像を捉えたもの。
ラスタ画像
ビットマップもラスタも、通常同じ様な意味で使われています。それで殆ど問題は無いと言えますが、厳密に言えば違います。 ラスタ(raster)とは、網目、メッシュと言う意味で、確かに上記のグリッド・メッシュ画像、ビットマップ画像と同じです。しかし同時に「画面上で、横1列のピクセル(或いはドット)」と言うような意味も持っています。
グリッド・メッシュ画像や、ビットマップ画像のピクセルが、相互に対等・離散的で有るに対し、ラスタ画像は、ピクセル(或いはドット)が必ずしも完全独立なものではなく、横方向1列を基本的な単位として扱っているのです。 つまり、TVやCRTモニタ等の「走査線」の概念です。 或いはフラットベッドスキャナの主操作方向、インクジェットプリンタのインクヘッド主操作方向です。
ラスタライズ
グリッド画像と対をなす画像形式を「ベクトル画像」と言います。ベクトル画像も、モニタ表示やプリントアウトするには、一旦グリッドデータ化(ラスタ画像化)する必要が有ります。
これを「ラスタライズ」と言います。
デジタルデータのエフェクト
一旦画像をビットの形にしてしまえば様々な加工が可能になります。
例えば、ビットの値を入れ替えれば(0を1に、1を0に)白黒反転します。
ビット並びを左右入れ替えれば、「リフレクトツール」による画像の反転(鏡像)が得られます。 これらの作業を「ビット操作」等と言います。
エフェクトの種類によって専門の関数が用意されており、ソフトのツール、フィルタを使うことで簡単に効果を表現できます。
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