ブレンドの応用-2(複雑なグラデーション作成-1)


「ブレンド」の活用はこれまで見て来たように、様々考えられます。
しかし一番重要で実際にも多く使われている活用法は、「カラーの連続的な変化による、複雑なグラデーションの作成」でしょう。
Illustratorのグラデーションツールでは設定困難な、複雑なグラデーションをブレンドで作成することが出来ます。 以下、順次具体例で考えて見ます。


 


パイプへのグラデーション設定

下図で、「パイプ」の作成を考えて見ましょう

 

b_6.gif右図、1の直線状パイプは、長方形の中に、「グラデーション」塗りを施すことで、簡単に作成できます。

では右側2のパイプはどうでしょう。これを「グラデーション」塗りや「グラデーションメッシュツール」で作ろうとしたら大変です。殆ど無理でしょう。
「ブレンド」でなら簡単に作成できます。その手順を掲載します。

 

  1. b_7.gif鉛筆ツール等で、適当な線を書きます。
    「塗り」は無し、「線」を20pt位、カラーをK-100% に設定。
  2. この線を「編集→コピー→前面へペースト」します。
    ペーストされた線を0.5pt、カラーを白 に設定。
    この線を水平移動します。(Shift+ドラッグ

 

  1. b_8.gif最初の線(20pt、K-100%)と、移動した線(0.5pt、白)の間で ブレンドを掛けます。
    step数を 8 位に設定します (ブレンドツールをダブルクリックして、 出てくる「ブレンドオプション」で設定。
  2. 出来た「ブレンドオブジェクト」に対し、 「オブジェクト→ブレンド→拡張」 を掛け、個別のオブジェクトに分解します。
  3. このままでは、未だグループ化されているので、 「オブジェクト→グループ解除」します。


b_9.gifオブジェクトが未だ全て選択されている状態で (選択が解除されて いたら、全て選択して)→「整列」(「ウインドウ→整列を表示」)


 

壷へのグラデーション設定

下図で左の壷と右の壷を比較した時、右の方が明らかに立体感が有り、ふくらみを感じます。
左は「グラデーション」で陰影を付けたもの、右は「ブレンド」で陰影を付けたもの。

右の壷の陰影を「グラデーション」で作成することは困難です。 この様な場合、「ブレンド」と「マスク」機能を使うことで、比較的簡単に作成できます。

blend_01.gifblend_0.gif

■ 作成手順

  1. 楕円の配置
    ペンツール等、描画ツールで描いた壷のアウトラインに沿って、 楕円を配置します(下図、左)
  2. グラデーションの設定
    楕円に、陰影を考えながらグラデーション設定します
  3. ブレンド
    グラデーションが設定された楕円を全て選択し、ブレンドを掛けます (右)
    (アンカーポイントをブレンドツールで順次クリックするか、 「オブジェクト→ブレンド→作成

blend_2.gifblend_5.jpg

 

マスク設定

  1. ブレンドされたオブジェクトの前面に、壷オブジェクトを配置(下図、左)
  2. 背面のブレンドオブジェクトと、前面の壷オブジェクトを両方選択。
  3. クリッピングマスクを掛ける
    (オブジェクト→クリッピングマスク→作成)で、 壷オブジェクトの中にマスクする(右)

blend_6.jpgblend_7.jpg


 

blend_0.gif

完成


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