電磁波の発生

電磁波とカラー-1
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電磁波は、電場と磁場が相互に誘発し、補いながら空間、或いは物質中を伝播する現象です。

■ 電気と磁気

■ 電場の変化による磁場の発生

Illustrator講座 電磁波

小学校だか中学校だったか、理科の時間に電磁石を作ったことが有ったと思います。
導線のコイルに電流を流すと、導線の回りに磁気が発生します。磁気の方向(磁力線)は、電流の進行方向に対し、右回りです。 電流を止めれば磁気も消失し、電極を変えれば磁気の方向も変わります。

磁気の発生は、コイルでなく一本の導線でも起こります。コイルにするのは、導線を束にしてより強い磁界を得るためです。

※ 電流が磁界を作ることを最初に発見(1820年)したのは、オランダのエルステッド。


上記現象を一般的に表現すると、次の様になります。

電流の流れ、つまり時間的に変化する電場は時間的に変化する磁場を作る。(電場→磁場)

電磁石、モーター

この現象を利用したものとしては当然電磁石が有るし、電磁石を使ったモーターが有ります。
家庭用電気製品の中で電磁石やモーターが、全く使われていないものを探すのは困難でしょう。磁気ディスクなどの記憶媒体を始めとしたパソコンも、勿論例外では有りません。

■ 磁場の変化による電場の発生

Illustrator講座 電磁波

今度は逆に、導線のコイルに磁石を入れたり出したりすると、その都度導線に電流が発生します。磁石の方向転換の都度、電流の流れも切り替わります。

この場合も導線は直線でも構いません。導線が磁場を横切ることで電流が発生します。
コイルにするのはより強い電流を得る為です。

※ この現象は電磁誘導と言い、イギリスのファラデーが発見しました。
ファラデーは貧乏な鍛冶屋の息子として生まれ、受けた教育も小学校までと言うことです。しかし彼の発見は、後世の人類に計り知れない貢献をしています。


上記現象を一般的に表現すると、次の様になります。

時間的に変化する磁場は、時間的に変化する電場を作る.(磁場→電場)

発電機

この現象を利用したものの典型は、発電機です。
発電機は導線コイルの中を、磁石が高速回転することで電気を起こす仕組みになっています。つまり導線に対し、変化する磁場を与えることで導線に電流を発生させます。
発電機とモーターは、裏表の関係です。

■ 電気と磁気の統一

エルステッドの「電場→磁場」の発見、ファラデーの「磁場→電場」つまり電磁誘導の発見により、それまで違う現象とされてきた、電気と磁気を統一して考えることが出来るようになりました。
電気と磁気は同じ現象の裏と表の関係だと言っていいでしょう。

勿論2人だけではなく、エルステッドの発見をさらに発展させたフランスのアンペール、 そして彼らの実験を安定的に支えることとなった、ボルタ(イタリア)の電池の発明(1800年)などの功績も大きい。


変圧器Illustrator/イラストレーター講座 電磁波

「電場→磁場」、「磁場→電場」 この関係を利用した身近なものの典型として、変圧器(トランス)が有ります。

トランスは鉄心に、巻き数の異なる何セットかの導線コイルが巻かれているものです。
一つのコイル(1次コイル)に 交流電気を流すと、鉄心は電磁石となるのですが、交流は1秒間に50Hz(東日本)、60Hz(西日本)の間隔で電流の向きが変わるので、鉄心は「変化する磁場」となります。

変化する磁場は、同じ鉄心の他のコイル(2次コイル)に対し変化する電場(交流電気)を発生させることになります。
2次コイルの巻き数を調整することで、それに応じた電圧を得ることが出来ます。
つまり一定の電圧からさまざまな電圧に変換させることが出来る訳です。

■ 電場と磁場の伝播(電磁波)の原理

■ 電磁波の予言−マクスウェルの方程式

エルステッドやファラデー等の成果を数学的に整理し、それによって「電磁波」の存在を予言したのが、英国(スコットランド)のマクスウェル(1831. 6.13 - 1879.11. 5 ) です(マクスウェルの方程式)。

エルステッドとファラデーの発見した電磁現象を、再度並べると、次の様になります。

  1. 時間的に変化する電場は時間的に変化する磁場を作る.(電場→磁場)
  2. 磁場が時間的に変化すると時間的に変化する電場を作る.(磁場→電場)

つまり大雑把にはしょって言えば、電場が磁場を作り、その磁場が電場を作り、そしてその電場が………、と連鎖的に繰り返し発生することになります。
そしてその連鎖的に発生する電場と磁場が、空間を波として伝わることが、マクスウェルの方程式で予言されたのです。


Illustrator講座 電磁波

変化する電場と変化する磁場が連鎖的に空間に伝わる。

電場と磁場は、常に直角に絡んで伝播します。


■ 光も電磁波

マクスウェルの方程式から導かれる電磁波の速さは、当時観測で知られていた光速度と一致した為、マクスウェルは光も電磁波の一種であると考えました。
ここに、それまで電気現象とは関係ないとされていた光も含め、電磁現象として統一的に理解する道を開いたのです。

マクスウェルが到達した、この電気と磁気の統一的理解は、天体間の力と地上の力を統一した、ニュートンの万有引力の法則に続くものです。
しかも万有引力の法則は、天体と地上における「同じもの」を「同じもの」として統一した性格のものですが、マクスウェルの方程式が示す電磁波の理解は、それぞれ異なる現象である電気と磁気、そして光までもを統一して記述したもので、その後のより多くの自然界の力の統一的理解への動機となりました。

又この電磁波としての理解は同時に、それまで長年の論争であった、光の粒子説、波動説にも自ずから(ひとつの)決着を付けることになりました。

■ 電磁波の証明

電磁波を実際に実験で証明したのはドイツのヘルツです。
マクスウェルの死後、マクスウェルの電磁波予言から24年後の1887年です。
その7年後にはイタリアのマルコーニが、この電磁波の1種である電波を使って、無線電信に成功しています。

電磁波の理論的な予言から実験による証明まで、24年も掛かった一つの理由は、電磁波の媒質は何か、と言う問題が有ったからでしょう。

通常、波はそれを伝える媒質が必要だと考えられていました。 水面の波は当然水が無ければ伝わらないし、音波は空気が無ければ伝わりません。

光も波である以上、当然その媒質が必要だと考えられ、エーテルと言う仮想物質が想定されました。
又、 星の光は真空中を通って地球に届くことから、エーテルは宇宙全体を均質に満たしていると考えられ、また絶対的な静止座標として想定されました。

つまりエーテルと言う静止絶対空間の中を、われわれは地球とともに猛スピードで運動していると考えられた訳です。
もしそうであるなら、エーテルに対して進行方向と後退方向、或いは横からの光の速度は、それぞれ違ってくる筈です。

しかしマイケルソンとモーリーの実験により、光の速さは地球の運動に一切関係なく、どの方向にも同じだと言う結果が得られました。
つまり光の速度は、観測者の運動に関わりなく、一定だと言うことです。 また、宇宙全体に対して静止している絶対座標としてのエーテルは存在せず、光は伝播する為の媒質を必要とせず真空中を伝わることが承認されました。

例えば鉄砲の弾を考えて見ましょう。弾丸のスピードは非常に速いのですがそれでも今の超音速ジェット戦闘機はそれに匹敵するスピードで飛んでいますし、宇宙ロケットは遥かに早い速度で飛びます。
弾丸と並んで同じスピードで走ったとしたら、となりの弾丸は止まって見える筈です。丁度同じスピードで並行して走っている電車が、止まって見えるのと同じ現象です。
これはわれわれが普通に考えている自然の姿です。

同じように、仮に光の速さで光と並んで走ったらどうなるか、とアインシュタインは思考実験をしたらしい。
隣を走る 光の先端部分は、止まって見えるだろうか。或いは光の速さで走りながら顔の前に鏡をかざしたとしても、自分より前には光は進まない訳だから鏡に自分の顔は写らない筈だ。………が、
しかしそう言うことは有り得ないだろう、とアインシュタインは考えたらしい。

結論から言うと、光に対してどんなスピードで運動している観測者から見ても、光のスピードは常に一定だと言うのです。
止まっている人から見ても、上記思考実験のように、光と同じ速さで走っている(実際は光の速さで走ることは理論的に不可能)人から見ても、やはり光の速さは同じに観測されると言うのです。

これは日常的な経験からすれば非常に奇異な結論です。ニュートン力学が示す「自然の姿」とも矛盾します。
しかしアインシュタインは、光速度一定と言う観測事実を受け入れ、それに合わせて「自然の姿」を書き換えました。それが特殊相対性理論であり一般相対性理論です。

相対性理論によってニュートン力学は、少なくとも光速度域では否定されました。
しかしマクスウェルの方程式は、その中に光速度一定を含み、相対性理論によっても否定されること無く、矛盾せず並び立ちます。

電流とは「単位時間に流れる電荷」のことであり、その中に必然的に「時間」と「速度」の概念が含まれます。
マクスウェルが自分の方程式の中に、後の相対論的要素を意識していたかどうかは分かりませんが、 プランクの「エネルギー量子」の発見に始まる量子論を含めて、さまざまな方向からの光(電磁波)の研究を通して、20世紀は物理学の世紀となったのです。


※電磁波の種類

電磁波とエネルギー

「電磁波は、そのままエネルギー」である。そしてエネルギーの強さは電磁波の周波数に比例する。周波数が多いということは波長が短い、と言うことで、短い波長の電磁波ほど強いエネルギーを持つ。
1秒間に1回のペースで殴られるより、1秒間に3回のペースで殴られた方がダメージが大きい、と言うことを考えれば分かるだろう。

光を含む電磁波は、物質の有り様と深く結びついた、極めて基本的な要素である。
そしてそれは波長によって、電磁波発生の源と原因が違う。
物質はその状態に応じて、特定のエネルギー値を持ちそれに応じた波長の電磁波を放っている。

宇宙線

「宇宙線」と言う呼称は必ずしも普遍的なものではなく、ガンマ線として扱っているケースも多いようだ。
ガンマ線の中でも極端に高エネルギーのものは宇宙起源以外に有り得ず、そう言った周波数帯のガンマ線を特に「宇宙線」と呼ぶケースが有るようだ。

そんな高エネルギーなものを、そのまま 頻繁に浴びたら、勿論致死的である。
しかし通常、大気圏や磁場で反射されたり、大気物質との相互作用で別の物質に変わって地表に届く。地表にいる人間は、これら無害となった宇宙線を1秒間に200個程度浴びていると言う。
宇宙線のエネルギーは、時に10の20乗eV(電子ボルト)という膨大ものも有ると言う。現在、世界最大の粒子加速器から出てくる粒子でさえ、10の12乗eV程度というから兎も角人工的に作れるものでないことは確かだ。
山梨県明野にある、宇宙線研究所所属の、AGASA(アガサ)と言う観測施設によると、10の19乗eVの宇宙線は、1平方キロ当たり、年1個程度降って来るという。
宇宙線の起源については、超新星爆発、ブラックホールへ落ち込む際の現象、等が考えられている。

※ ’06年2月15日付け朝日新聞に、 「探せ スーパー宇宙線」と言う記事が有った。
宇宙から降り注ぐ宇宙線の中に、桁違いに高エネルギーな「スーパー宇宙線」が有る、と言う説を巡って、日・米での意見の対立が有り、双方の研究チームが共同で、その宇宙線の探索をするのだそうだ。

日本側は、一般的な宇宙線の何兆倍にあたる、10の20乗eV(電子ボルト)を超える、スーパー宇宙線を確認しているとしているが、アメリカ側はそれを否定している。

興味深いのは、若し実際にそのような桁違いの宇宙線が確認できれば、少なくとも超高温のレベルでは、相対性理論にほころびが出るのだそうだ。
そのようなエネルギーを与えた現象が何で有るか、ビッグバンにも関わる問題になるのだそうな。

そこで素人ながら考えたこと。
相対性理論は、光の速さ、つまり時間と空間に関わる問題で、あまり温度との関係で述べられたのを見たことが無い。
しかし、絶対零度になれば(光速を達成するのと同じく、絶対零度も達成不可能)、物質の運動も止まり、時間も必然的に停まると思うのだが、相対性理論と温度の関係はどうなっているのだろう。

………と思っていたら、量子論の不確定性原理によると、絶対零度に於ける物質の運動停止と言う確定した状況は「確定」出来ないのだそうだ。

ガンマ線

ガンマ線は、原子核の崩壊で発生する電磁波で、やはり巨大なエネルギーを持ち、金属やコンクリートを貫通する。当然致命的であり、核爆発やチェリノブイリ事故の際の後遺症で知られる。
又近いところでは、動燃の臨界事故('95年12月)による作業員の被曝、死亡事故が有る。DNAがズタズタに破壊されていたようだ。

ガンマ線とX(エックス)線の波長は一部分重なる。
同じ波長領域であっても、ガンマ線とX線では発生の起源が異なる。
軌道電子の遷移を起源とするものをX線、原子核内のエネルギー準位の遷移を起源とするものをガンマ線とよぶ。

最近の話題に、宇宙最大規模の爆発としての「ガンマ線バースト」がある。
興味の有る人はネットで検索してみてください。

X(エックス)線

ドイツの物理学者レントゲンが1895年発見、未知の放射線と言うことででX線と名付けた。
X腺は体の柔らかい部分なら貫通し、写真フィルムに感光するので医療現場で良く使われる。やはり度々浴びると危険である。

自然界のX線は、主に宇宙のブラックホールから飛来すると言う。
ブラックホールは重力が極端に強く、光つまり電磁波も出ることが出来ない。従ってブラックホール自体からは、可視光もX線も観測できない。
しかしブラックホールに猛スピードでガスなどが落ち込む時、極めて高温な状態になります。およそ100万度以上の高温となった時、そこからX線を発生する。

人工的には、銅、モリブデン、タングステンなどの金属に、加速した電子ビーム(30 keV程度)を当てて発生させる等の方法がある。

紫外線

可視光線に隣り合わせている紫外線は、太陽など恒星のような超高温物質から発生する。浴びすぎるとDNAが破壊され皮膚ガンの原因になる。
「日光消毒」により、細菌を殺すことが出来るのも、紫外線により細菌のDNAを破壊する効果による。
しかし通常(今までは)地球を囲むオゾン層によって、紫外線がさえぎられていて地上の生物は守られている。
※ オゾン層(或いは酸素も)は元々地球に有った物では無く、地球の歴史の中で植物(或いは植物的バクテリア-藍藻等)によって作られた物である。オゾン層が無かったら、地上に生物が生存するのは極めて困難である。
今、このオゾン層が破壊されている。生物が40億年掛けて作り出した、「生物安住のシステム」が、僅か100年位の人間経済活動によって破壊されようとしている。しかもその危機を人類は制御出来ないでいる………。

可視光線

可視光線については、「カラー」で詳細に取り上げています。ただここでは、可視光線の様々な振る舞いが、主に原子の中の電子の運動に由来している、と言うことだけ述べておきます。

赤外線

赤外線は熱腺とも言われ、熱として感じる。人間の眼にとっての感受性は無いが、 赤外線カメラは人間等の出す熱に感応して光の無いところでも撮影できる。
赤外線コタツ等に赤い光を出しているものが有るが、暖かさを強調する為メーカーが付けているもので、赤外線そのものは可視光でないので眼に見えない。

電波

電波も光と同じく電磁波である。
電線に高周波の交流を流すと、交流は周波数に応じた電流の方向変化を起こす為、電線の中で激しい電子の揺れが生じ、それが電磁波の発生原因となる。

新聞の「テレビ・ラジオ欄」を見ると、例えばラジオの、NHK第一放送のところに「594kHz」と記載されている。
可視光線と比べて、10桁以上も違う長い波長だが「もの」は同じである。


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