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なんでもそうですが、光とカラーも、その性質を考える上でどう言う要素に着目するかによって分類の仕方も変ってきます。
ここでは先ず「光源」と、その光源と物体との相互作用で始めて得られる「透過光・反射光」に分けて考えて行きます。
光源色は主に加法原色・加法混色に係わり、透過・反射光色は主に減法原色・減法混色に係わってくる問題です。
光と色を、大雑把に分けると次のようになるでしょう。

「光源」は、それ自体が光を発しているものです(当然ですね)。
光はエネルギーそのものです。光源は様々な仕組みでエネルギーを発生しており、その発生方法によって、光の性質が変わってきます。
およそ380nm〜760nm間の、可視領域電磁波を発生するエネルギー源は全て光源です。 光を発するものは沢山有りますが、カラーとの関連で、主に問題になるのは、自然光である太陽光と、人工照明としての白熱球、或いは蛍光灯などでしょう。最近はRED等の発光ダイオードによる照明も増えています。
光の発生メカニズム、エネルギー源は、その光源によって異なります。
ここでは代表的なものについてだけ触れておきます。
太陽を含め多くの恒星のエネルギー源は核反応です。勿論核爆発のエネルギー源もそうです。
同じ核反応でも、太陽などは核融合、原子爆弾は核分裂反応ですが。 地上の全ての生物にとって、光源として最も基本的で一般的、そして重要なのは太陽光です。
人間を含め地球上の殆ど全ての生物が、この太陽光利用に特化した形で視機能などを進化させてきています。
4個の水素原子核が1個のヘリウム原子核に変わる核融合反応(※ 注)が、太陽の熱と光の元です。
太陽の表面温度は約6000度で、この温度に対応した色としてややオレンジがかった白色に見えます。
この光をプリズムに通すと、連続したスペクトルに分光されます。
※ 注
核反応の原理を定式化したのが、世界で最も有名な、アインシュタインのあの式、E=mc2
です。つまり質量に光速度の二乗を掛けたものが、エネルギーになる、と言う内容です。
実はそれまで太陽が出すエネルギーの源について、どうにも説明が付かなかったのです。それまで光とエネルギーの元として化学反応、つまり燃焼しか想定できていなかったのです。
白熱電球、焚き火など、こちらも一般的な発光メカニズムです。
一般に物質は温度に対応した波長の電磁波を発生します。
白熱電球で言えば、フィラメントと呼ばれるタングステン線に電流を流し、その「熱放射」による光を利用します。
物体が電流などエネルギーを受けた時、物体を構成する原子が激しく振動し高熱になる訳ですが、その際重い原子核より、軽い電子が激しく振動し、その振動エネルギーが光として放出されるのです。それが熱放射です。
つまり熱放射による発光は、主に電子の振る舞いによります。
白熱球は電気エネルギーの大部分が熱として消費され、光として利用されるのは数lに過ぎません。
熱放射の性質上、長波長域から短波長域までのスペクトル成分を連続的に含んでおり、電圧を上げたときの分光分布が太陽光と似ているので、自然で親しみの有る光として感じられ、エネルギー効率は悪いものの、現在でも捨てがたいものが有ります。
蛍光灯は白熱電球とは全く違った発光の仕組みを持っています。
放電管と呼ばれるガラス管の中で放電を起こし、電極から飛び出した電子と放電管に封じ込めてある水銀原子との衝突によって紫外線を発生させます。
その紫外線が、蛍光管内部に塗られてある蛍光物質に当たって光を出します。TVやカラーモニタの発光原理も同じです。
このようにエネルギーの交換によって、物質が励起したりそのエネルギーを光として放出する現象をルミネッセンスと言います。
ソースエネルギーの違いによって、電気ルミネッセンス、化学ルミネッセンスなど沢山の種類が有ります。
蛍の発光原理は化学ルミネッセンスだと言って良いでしょう。
蛍光灯は電気エネルギーを直接光に変換するので、白熱球に比べ熱を持たず、光変換のエネルギー効率も高いので、同じワット数で比べたとき、白熱球よりはるかに明るくなります。
又蛍光物質の種類を変えることで、様々な分光分布を持つ光を作ることが出来ます。
最近ではLED等が普及してきています。
宇宙での超新星爆発などは、重力崩壊のエネルギーが源だと言えるでしょう。
そもそも「物の色」とはなんでしょうか?
文芸評論家の大御所だった小林秀雄(1902〜1983)は、「色とは壊れた光である」と言ったそうです。つまり全てのスペクトル成分が調和して白色となっていた光が、物体にぶつかることで調和が壊れ、その一部が吸収され、
残りが反射・透過します。
反射・透過された光が眼に入り、 その物体色として認識されると言うことです。
光は、壊れない限り中立的な白色のままです。壊れて始めて「色」としての正体を表すと言う訳です。
小林秀雄と同じ言い回しを使うのはいささかシャクですから、私は「色はバランスの崩れた光」という言い方をしたいと思います。マッ、同じ意味です。
最初に理屈を言ってしまうと、そもそも物質に「色」が有る訳では有りません。物質を構成する元素に、スペクトルの特定領域の光を選択的に吸収したり、反射・透過させる性質、「選択吸収」、「選択反射・透過」が有るだけです。
光が物質に当たったとき、光は物質表層部に進入し、一部は物質に吸収されます。この際吸収される波長の割合は物質によって異なります。つまり物質による選択的吸収がなされます。
吸収されなかった波長部分は反射、或いは透明な物質であれば透過する訳ですが、既にこの時点で光はバランスを欠いており、反射・透過光はその物質特有の「色」を示す訳です。
バランスの取れた光=白色光がリンゴに当たっている場合を考えます。
成熟したリンゴの皮にはアントシアンと言う物質が含まれており、アントシアンは短波長域の光を選択的に吸収し、長波長域を反射します。
長波長域の光は、眼に入って赤い感覚を引き起こします。
光の成分を波長ごとに表したものを「分光分布」、それをつないでグラフにしたものを「分光分布曲線」と言います。
吸収、反射についての分光分布曲線を「吸収曲線」「反射曲線」と言います。
吸収・反射曲線は相補的です、つまり補い合って白色光の分光分布になります。
透明な物質に見られる「透過」も考え方は同じで、
やはり、選択的吸収がなされ、残りが透過されます。
ただ この場合、表面での反射があり、又光の透過経路が長い場合、その経路全体を通して吸収されるので透過光はその分少なくなる場合が有ります。
反射は表層的な現象ですが、透過はその物質の厚さに伴って吸収量が増大してゆきます。
光が、ある程度の厚みを持った物質を通るとき、透過の全経過を通じて光が吸収されて行き、最後、全く透過されない場合も有り得ます。 無色透明とされる水でも、数百メートル以上の深海では殆ど光が届かず暗闇の世界となります。
※ 小さなグラスに注いだ赤ワインは綺麗な赤紫に見えますが、瓶に入った赤ワインは黒く見えます。
これには二つの理由が有ると思います。
アントシアンは長波長域を反射し、その為赤く見える訳ですが、照明が長波長域を含まない光の場合、反射する波長成分が無いことになり、結果グレーにしか見えない場合が有り得ます。
また、 このリンゴを、例えば高速道路トンネルの、ナトリウム光線(黄色)の下で見たら、全く別の色に見えるでしょう。 つまり物質自体に「色」が有る訳では有りません。
「色」とは、その物を構成している物質と、光と、そしてそれを見る人間の眼の色彩感覚との総合的な現象だと言えます。
だから人間とは違う感受性の目を持つ昆虫は、同じものを見ても人間と違う色に見ています(…の筈です)。
モンシロチョウなどは人間に見えない紫外線の領域を見ているようです。
アントシアンはフラボノイド系の色素です。アントシアンは赤だけでなく紫、青、水色など幅広い色を表します。
その原因は化学構造上の僅かな相違や土壌の性質(酸性度や含まれる金属成分など)によって色調が大きく変化するからです。
アジサイの花の色が、主に土壌の酸性度の違いで、青や赤紫などバリエーションを示すのもこのためです。
上記「透過光」で述べた赤ワインの色も、やはりアントシアニン系の色素です
光が当たる 物体の表面特性、光の入射角度等により、光の吸収、従って反射の状況が異って来ます。
光が物体に当たると光は物体の表層部に進入します。
石でも金属でも、光が中に進入するように思えません。しかし光子レベルで言えば物質表面は穴だらけなんでしょうね。
そしてその光と、物体を構成する物質との相互作用により、選択吸収、選択反射されるのですが、物体が緻密で表面が滑らかに磨き上げられているような場合、特に入射角度が浅い場合など、光は物質の内部に入り込む前に表面で反射される場合があります(表面反射)。
この場合光は、物体による選択吸収、選択反射される前に、その表層で反射されている訳で、反射光は物体色ではなく光源色に傾きます。 鏡面処理されてある金属などはこの例です。
この現象は「光沢」とも言われます。