Illustrator基礎講座 -デジタル画像1
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イメージとしての風景や人物、そしてそれを写し撮った(銀塩フィルム)写真、或いは美術館に展示されている絵画、これらはアナログデータです。
これをコンピュータで扱えるようにするには、デジタルデータ化する必要が有ります。


画像のAD変換

■ 画像のデジタル化

「デジタル化」の考え方は、音声、画像、映像を問わず「連続情報を離散的データ化(ビット化)する」ことです。ビットの形にすることによって、数値としてコンピュータで扱えるようになります。一般的にアナログデータをデジタルデータに変換することを、AD変換(アナログ、デジタル変換)と言います。

画像のデジタル化の手順

「画像AD変換」も、「音声のコード化(パルス符号変調)」と同じで、標本化(サンプリング)→量子化→符号化の手順を踏みます。
画像のAD変換デバイスとしては、イメージジスキャナ、デジタルカメラ等が有ります 。画像AD変換の手順は以下のとおりです。

  1. 標本化
    音声は時間的経過を分割、標本化するのに対し、画像は平面上の連続情報を格子状に分割・標本化します。
    標本化された格子状の離散的データ、これを「画素」又は「ピクセル(pixel)」と呼んで、デジタル画像の最小単位となります。
  2. 量子化
    ピクセルに対し、近似のカラー値(深度)を設定します。
  3. 符号化
    カラー値を2進数で書き出す。

以下、順次見て行きましょう。

■ 標本化(サンプリング)

下の概念図を参照しながら、画像の標本化を説明します。

ピクセル

最初にイメージを正方形の格子状に分割します。この正方形の格子を「ピクセル(pixel)」と呼びます。或いは「画素」。ピクセル(画素)はデジタル画像の最小単位になります。
デジタル化以前のソース画像は、標本化によってピクセル単位にカラーが抽出され平均化されます。つまり連続的なソースイメージのカラー情報は、ここでピクセル単位の離散的データになります。
個々のピクセルをとってみれば、その中に連続情報は有りません。平均化された均質なデータ(単色)となって、数値で定義できる状態になります。

カラーチャンネル

デジタル画像には「モノクロ」「グレースケール」「ハイカラー」「フルカラー」等、カラーモード(後述)が有ります。このカラーモードに沿ってソース画像のカラーを集約します。 例えばフルカラーと呼ばれるカラーモードの場合、ソース画像をR、G、B 3枚のカラーフィルタで分けてカラーデータを取ります。 この分解されたR、G、B毎のカラーデータを「カラーチャンネル」と言います。
フルカラーのデジタル画像は3枚のチャンネルを持つことになります。

同じフルカラーでも、C、M、Y、Kモードではカラーチャンネルが4枚になり、その分データサイズも若干大きくなります。
1ビット(モノクロ2階調)、8ビット(グレースケール)の場合、カラーチャンネルは1枚になります。

画像のデジタル化(RGBフィルタ)

画像解像度

ピクセルはデジタル画像の基本的な単位です。
重ねるカラーチャンネルの格子(ピクセル)の大きさによって、得られる画像の精細度が違ってきます。つまり5ミリ四方のピクセルで画像を分割するより、1ミリ四方で分割した方がよりきめ細かなデータが得られます。 このピクセルの大きさによる画像の滑らかさの程度を「画像解像度」と言います。

下図は同じ「C」の文字を縦・横10の方眼(100個)と、縦・横20の方眼(400個)での比較です。

画像AD変換20ピクセル画像AD変換10ピクセル

画像解像度は通常、1辺の長さ1インチ(約2.54cm)に並ぶピクセル数で表し、単位をppi(ピクセル・パー・インチ)とします。
ppiの数値が高いほど、画像の解像度は上がり、画質のきめ細かさは向上しますが、当然画像のメモリサイズは膨らみます。しかも画像は平方なのでppiの数値が2倍になれば、メモリサイズは2乗の4倍になります。

では実際にピクセルを見てみましょう。

画像AD変換10ピクセル  ピクセル

綺麗なランの画像が表示されています(右図-左)。
この一部を拡大したものが右の図です。小さな四角形1個1個がピクセルです。
一見滑らかで綺麗な画像も拡大すると、モザイク状に並んだピクセルの集まりで出来ているのが分かります。

個々のピクセルカラーは、単色です。つまりピクセル内部にアナログ的な「連続」は有りません。
標本化によりイメージをピクセル単位で分割し、その中のカラー情報を平均化します。それによりイメージの連続情報が、ピクセルと言う最小単位の離散的データに変換されます。

■ 量子化

各ピクセルに対し、予め設定しておいた階調に合わせ、カラーを割り当てる(近似する)のが「量子化」です。
階調をどの程度細かく設定するか、つまり量子化レベルを幾つに設定するかによって、カラーの滑らかさが違ってきます。1ビット(モノクロ)画像、8ビット(グレースケール)画像、24ビット(フルカラー)画像等、量子化レベルの違いにより画像カラーモードが違います。
量子化レベル の違いによるカラー変化の滑らかさの程度を「カラー深度」と言います(カラー深度については項を改めて詳述)。

音声のデジタル化と同じく、当然画像も「量子化誤差」は生じます。しかし階調を十分細かく設定することで、その弊害は殆ど排除できます。

■ 符号化

ピクセルに適用されたカラー値を、0、1のビットの並びで書き出せばコンピュータで扱えるデジタルデータとなります。

1ビットカラーは、各ピクセルを1ビット(1桁)の0か1で表せます。
モノクロ画像の場合、1は白、0が黒になります。

8ビットカラーは、各ピクセルを8桁の0、或いは1で表します。
グレースケール画像の場合、11111111が真っ白、00000000が真っ黒、その間の様々な値が、それに対応した濃度のグレーになります。

24ビットフルカラーは、各ピクセルを、R、G、B各チャンネル毎に8ビット、合計24ビットの0、1で表します。
11111111 00000000 00000000 は、真っ赤、
00000000 11111111 00000000 は、真っ緑
00000000 00000000 11111111 は、真っ青になります。

しかし、2進数では上記のように表示が長くなり扱いにくいので、通常は16進数で表示します。
11111111 00000000 00000000(赤)は、FF0000となります。